岩の崖地は、土壌が安定しないこと、雪崩がひんぱんに起こることなどから、ブナやナラの森林ができにくく、清津峡には周囲の山とは異なった植生が広がっています。

@多様な樹木
岩の尾根には、五葉松の一種の
キタゴヨウや、ひのきの仲間のクロベという木が生育しています。谷では、春、ツツジ類やピンクの花をつけるタニウツギという低木が次々と美しい花を咲かせます。これらの低木は、枝がしなやかで簡単には折れないようになっています。これは雪崩の衝撃を受け流してしまうためのもので、谷の木々は他の木よりも厳しい環境で生育しているのです。
谷は、ブナなどにおおわれることがない分、いろいろな樹木が生育しています。秋、美しく
紅葉するものが多く、清津峡では大部分が黄色くなりますが、ところどころにカエデ類やヤマザクラの鮮やかな紅葉が見られます。例年、10月の末から11月の初めくらいが盛りとなります。
A美しい草花
岩のすき間にわずかに溜まった土の上には美しい花を咲かせる草花が生育しています。展望所からは、葉が大きくて薄紫色の花をたくさんつける
オオバギボウシ(若芽は山菜です)やトウキ(セリの仲間で漢方薬の一種です)の白い花がまとまって咲いているのが見られます。秋には、紅葉に隠れて目立ちませんが、山野草としても知られたダイモンジソウや、そばの花によく似たピンク色のミゾソバの花などが咲いています。近隣の地域では見られない植物が多く生息しているのも清津峡の特徴です。
谷のまわりには、
ブナミズナラの林が広がっています。川原のヤナギの林と同じく、新緑の美しい林です。ヤナギ林の新緑は4月の中頃、ブナの新緑は4月の末頃になります。この頃の渓谷トンネル入口周辺では、カタクリスミレの仲間など、早春の可憐な草花に出合うことができます。